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駅の通路では左側通行の矢印通りに歩き、横断歩道は絶対に青信号で渡る。なんかそういう人生だ。

誰のためでもなく規則を守り、それでいて自分のためには何も残らず。他人のために気を働かせ、自分のことは思考停止。日曜日も朝から電車に乗って仕事へ行く。全く自分のキャリアにならない仕事へ。

私は予備校の講師をしているが、受験期は必然的に出勤が多くなる。この2ヶ月、思えば自分の人生を丸ごと消費してしまったなぁ。この60日間は、たった数万円の価値しかないのだろうか?そんなはずはない。それをわかっていながら、今日も考えるのをやめて足を前と後ろへ動かすだけだ。

電車に揺られる約2時間は、両耳を塞ぎ、ただ雑音に身を任せている。生温い時間だ。読書をする体力も、何かを考える気力もない。基礎体力というものが、微塵もない。

ああ、車内で響く人間の会話の波がイヤホンの底で痺れる。流れる音楽も全て聞き飽きていた。聴くために集めた音にただ苛立ちを覚え、飛ばしてばかりいる。センスのない言葉、好きだったアーティストの最近の歌はダサすぎる。金が必要なのは分かるが、伝えたいことないならやめろよ。ライブだけやってくれ。その点、潔く辞めたアーティストの曲はいつ聴いてもいい。そういうやつは辞め時がわかるから、曲の取捨選択もできる。復帰したときに作る曲も良い。大量に作ったデモの中から良いやつだけを表に出すからいい。

なんかどうでも良くなってきたな、テレワークしてた時の方が良かったな。当たり前か。