布団を干した

鮮烈さを失った私の文章は、5月上旬の午後に混じって消えた。


今日の朝はクリームシチューを皿に盛って、あっためた後に布団に落とした。いい加減寝具を洗いなさいと言われた気がして、布団カバーと毛布を洗った。


13:04 ベランダにでて、目の前の道路を見下ろす。自販機を見つけてそこに立ち止まる人を眺める。ここは3階なのに手すりを歩くありんこ。見渡す限りの近隣の家々には、一人も人が住んでいないように思えた。ただ屋根や壁面が日差しを優しくはね返し、丸く安静にしている。そんなことが春だと思えた。


日陰にいる限り、日焼けなんてしない気がする。今日聞いた歌は、冬が終わるのを惜しんでいた。ここはもう初夏だともいうのに。


生きやすさと感覚の洗練さは両立しないのだろうか。いつか、ありたいようになれるのだろうか。

不完全な自己を憂てしまう、そんな1ヶ月前が終わって、完全なわけがないだろうと笑ってしまう春がきた。


この淡いベージュのパーカーと、変な柄のジグザグしたパンツ。ベランダで風を浴びるこんな日々が好きだ。