5/26 家
一年という時間が重くのしかかってくるな。私は自分の足の爪に塗ってあるオレンジ色を見つめることしかできなかったり。
実家に一年ちょいぶりに帰って、ここは慣れた家で、見慣れていて、でもなんかここでのしきたりとかちょっと忘れてて、前がどんなだったかも忘れてるから、何が変わったかも分からなくて、今はいない愛犬の小屋のスペースと、声の変わった痩せた母親。
実家に帰ったとて、かつてのようにもてなされることはこれから先もないと実感して、私があと3日間料理をするんだなぁと感じられて。動けない母親と、ギリギリ食を保っている父親と、能天気な兄。先がないって、こんなにも思わされる。今まで、どれだけ尊い時間を過ごさせて貰っていたか。
もう2度と、あんなにお腹いっぱいになるほど野菜や肉や果物でもてなされることはなくて、もう2度と布団や新しく用意された服で迎えられることはなくて、もう2度とハツラツとした母の笑顔も声も聞けることはなくて、もう2度と一緒に晴れた日の外を歩くこともなくて。
地球最後の日、何食べたい?ってよく聞かれるけど、やっぱり私はお母さんが作ったロールキャベツって答えるね。