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母が植物状態になるかもしれないらしいって、今父親から電話が来た。

みーんな散り散りになるらしい。父は全部忘れるために一人で海外に行くよって言ってた、兄弟もどっかへ。好きな人は京都行くって。私はどこへ?

心の故郷みたいなのは物質として永遠に存在し続けたりはしてくれないのね。寂しいもんだな。墓石は死んだ人のためじゃなくて参りに行く人のためにあるのね。その重量や重々しさを人の存在に見立てるのね。私は生まれた土地の原っぱと、コンクリートと、砂利道を一生忘れずに過ごすのかもな。

これから先、私は本当の一人になるらしい。実家も無くなって、さぁどうしよう。共に生きる恋人もおらず。もしかしたら新しく生きることになるのかなぁ?なんだか不思議な感覚になる。

今まで親がしてくれたこと、今になってしっかりと血肉になって感じられる。生きていく。

私も父親に負けないように一人の人として、そして強い作家になる。