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父親は母がしんだら全て忘れるために金作って海外に行くって言ってた。そうかそうか。みんな好きにどっか行くよな。私もそうやって生きようかな。定住する必要はないもんな。

私たぶん、親がしんでも長くは泣かないのかもしれない。うそだよ。そりゃ寂しいよ。でもそれはそれなんだ。それが人生なんだよな。

もうとっくの前に覚悟はしてたんだよな、そうなんだよ。

家族で撮った2年前の写真見てさ、なんかむせび泣いてる

写ってるのは私が知ってるお母さんでさ、可愛くてさ、好きでさ、話しかけても返事してくれてさ、笑顔が可愛くてさ、髪の毛なんてなくても可愛いんだよ、なんだってよかったんだよ、今年いっぱいは大丈夫かと思ってさ、私の展示来れると思っててさ、そうかぁ、そっかって、なんかさぁ。

お母さんに化粧したりさ、お母さんの爪にマニキュア塗ったりしたかったよ。私、自分で働いたお金でこんなにかわいく化粧できるようになったよって見てもらいたかったよ、お母さんをかわいくしたかったよ、一緒にどこか出かけたかったよ。去年もっと会っていればよかった。お母さんが伝えたかったこともっと聞いてればよかった。


もうこれから先スマホなんて見る力もない人に、既読なんてつかないだろうと分かってるけど、だいすきだよってLINEをいれた。私は、彼女の意識があるうちにちゃんとそういったことを言えなかった。大好きだよって言ってくれた、1ヶ月か2ヶ月前。こんなちょっとの間にさ。戻りたいよ。